モハンナドさんとの出会い、そして中東問題についてスキュ熱弁す
まーそんなこんなでのっけから波乱に満ちた旅のはじまりだったですが、
この結果、いいこともあったんです。飛行機の席です。
1つ目は、成田→ドバイで、隣に誰もいない席をあてがわれ、おかげで10時間のフライトを3列シート1人占めで横になって行くことができたこと。
2つ目は、ドバイ→ヨルダンの機内で、ミスマール・モハンナド氏に出会えたこと。
誰それ?って説明の前に、まずはドバイ空港到着からの流れをおってきましょう。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
午前3時半、ドバイ空港に到着。ドバイはアラブ首長国連邦(UAE)の都市。UAEは中東一の経済大国。あの世界一高いタワーもあるんだよ!
・・・わわわ、この空港広すぎ!成田の比じゃない!そして夜中なのにフツーに免税店が全部あいてる!!!すごーい!
でもトイレに並んで【お祈り場】があるところが、いかにもイスラム圏。
そして
男性はあの白いイスラム服着てるひともいるし、
女性はあの黒いイスラム服まとってるひともいるし、
いよいよアラブに来たなーって感じがひしひしする。
次の目的地・ヨルダンのアンマン行きの飛行機に乗り継ごうとするも、出発口が表示されておらず。並ぶ人を押しのけインフォメーションの人に搭乗口を教えてもらう。
そこに行くと、何の表示もないカウンターがポツン。チケット見せると通してくれたが、不親切すぎ。アレじゃあ絶対に迷い人出るって。
カウンターを過ぎるとバスがおり乗車。5分くらいグルングルンと空港内を走り回り、多分別のターミナルに移動した先に、ポツンと飛行機が待っていた。
さすがアラビー。これじゃあフツーにたどり着けんって。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
なんとか飛行機に乗るも、定刻になっても出発の気配なし。アナウンスによると、迷子の客が出ているという。まああんな搭乗方法だし、やむなしだわー。
と、ヨルダン入国にそなえパスポートをぺらぺらめくっていると、後ろから ”エクスキューズミー?”
半袖短パンのにーさんが声をかけてきたのだった。
”君のパスポートにあるシリアビザ、日本で取るといくらするんだい???”
・・・聞けば彼はヨルダン在住で、仕事で大阪に行って帰路につく途中だという。
ス『そーですかそーですか。で大阪はどーでした?』
彼『んんんーー・・・。関西人、ちょっと大変だった・・・(遠い目)』
ス『(苦笑)。彼ら、Funny(愉快)でしょー?』
彼『(苦笑)。んーーー、そうだね・・・たしかにFunnyだな。はははははは・・・。彼らは面白いけど、長い時間一緒に過ごしたくないなー(苦笑)。』
ス『(この流れッ! お、俺の父ちゃんは関西人だなんて絶対言えねー・・・。)』
ス『ところでなんで大阪に行ったの?トーキョーとかキョートじゃなくって?』
彼『んー、ジャパニーズイエローガイドブック(←『地球の歩き方』)持ってる?』
ス『ヨルダン編ですよね?持ってますハイどうぞ。』
彼『えっとねー・・・(パラパラ)。 あ、これ、僕。仕事でいってたの。』
指さされた先を見ると、
【ヨルダン政府公認:日本人専門ガイド:ミスマール・モハンナド】
えー!ひょっとしてあなた有名人???マジすか?!
モ『本当だよ。ほらっ。(とガイド身分証を見せる)。』
ス『わー!マジで!』
モ『へへ。ダカラ日本語でシャベッテOKデス★』(←と日本語でしゃべりだす)
ス『(・・・じゃあ最初から日本語でしゃべってくれっ!!!)』
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
このモハンナド氏、なかなかおもしろい方で、なによりもアラブ人っぽくない。なんか西洋人みたい。
それでもわしが出会ったアラブ人第1号が彼となったわけでして、彼が日本語ベラッベラなのをいいことに、質問攻めをしたわけでありました。
1
ス『あの白いイスラム服着てる男性って、敬虔な信者さんなの?』
モ『いーや、ただのファッション。』
ス『えっ?!マジ?!
・・・じゃージャパニーズ浴衣とおんなじよーなもん?』
モ『まーそうかな。』
ス『あとあと旅行者でも女性は肌を隠した方がいいんだよね?』
モ『いーや、関係ないね』
ス『えっ?!マジ?!』
※ちなみに彼は半袖短パンって格好
2
ス『飛行機遅れてますねー。でもアラブってこんな感じでテキトーなんでしょ?』
モ『いやいやいやいや、こんなのおかしい!アラブすぎるっ!!』
※【アラブすぎる】って、すごい日本語・・・。
3
ス『ところで、今ヨルダンで一番ホットなツアーってなんですか?』
モ『ないね(きっぱり)。』
ス『(苦。おい・・・。)』
モ『まーでもぺトラは見なきゃ、ヨルダンに来る意味がないね。』
ス『でもなんで日本語ガイドになろうとおもったの?』
モ『いや、別になるつもりはなくってさー(笑)。』
ス『(苦。おい・・・。)』
モ『でも競争率は少ないよ。JTBとか近ツーとかと仕事してます。』
ス『すげー。あ、ひょっとしてモハンナドさんって社長さん?』
モ『んー、まあ、一応・・・。』
ス『わー!シャッチョーサーン!!シャッチョーサーン!!!』
モ『(苦笑)。アラビア語勉強して君もウチで働く?』
ス『・・・遠慮しときます。』
※現在3人の日本人が働いてるとのこと。こちらの会社です。
4
ス『もうすぐラマダン(イスラム教の断食期間)なんで怖いっス』
モ『旅行者はカンケーないよ。僕も食べてるし(笑)。』
ス『(に、にーさん、いいのかそれで・・・)』
モ『でも人前では食べない方がいいね。』
※イスラム教では個々の信仰の程度によって、守るべき義務も個々に委ねられてるみたいです。しかし敬虔な教徒はこの期間、唾も飲みこまないらしいですよー。
そして最後に、イスラエル問題について。
ス『わし、一応イスラム史が専門なんスけど、イスラエルがキライなんです。』
モ『大丈夫!キライなのは君だけじゃなくってみんなそうだから。』
ス『えーやっぱりアラブ人はイスラエル嫌いなの?』
モ『そりゃー歴史を見れば、だましたとしかいえないやり方だよね。』
ス『ですよね。イギリスのやり方はオカシイ!
ついでいうと、大国が責任を取らないのはおかしいと思う!!!』
スキュがそのひと言を言い終わると同時に、ついにフライトがはじまった。
『只今から当機はアンマン・クイーンアリア空港に向かいます・・・』
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
彼はアラブの世界を相当客観的に見ることができる人物であった。
この会話は、一生忘れることができないでしょう。
そしていざ、ヨルダンはアンマンへ。