『loveless』

皮肉にもその音楽のタイトルは、私と貴方との関係性を表していた。

Loveless

Loveless

貴方と出会ってから間もなく、私は1つの夢を見た。
ベッドの中の私の隣に貴方が横たわっている、そして流れる曲は、『loveless』の"when you sleep"。世界でいちばん甘い恋の歌。綿菓子のような甘ったるい夢。客観的に見てこの上なく幸福な状況であるはずなのに、何故か無性に胸が苦しかった。身を切るくらいにあまりに切なく悲しくて、夢の中で胸が張り裂けそうになっていた。

綿菓子のような甘い夢は、この夢を見てから4年後、ほぼ同じ形で現実となった。そしてあの時、ただ理由もなく悲しみに覆われた理由を知ることとなった。
その答えは――『loveless』。
そう、夢の中でも現実でも流れていた、あのメロディ。
貴方は愛情もなく抱いたのだった。