Charlotte Gainsbourg@東京国際フォーラム

一晩たった今でもはっきりと残る余韻。どうして、こんなにもひきつけられてしまうのだろうか。

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シャルロット・ゲンズブールの東京ライブに行きました。
彼女の出演作品はまともに見たのは1〜2作だけど、なんとなく、ずっとその佇まいというかあり方は目が離せない存在でした。
で、最新アルバムの『IRM』。これがもードンピシャで好みで。Beckとやってて、どこかメタリックで硬質的なイメージもありつつオルタナロックの流れを確実に汲んでいるサウンドに、美メロに囁くようでいて美しい声。そしてそれが上手すぎない(←こことっても重要)。
彼女の本業は女優じゃなくてミュージシャンだろうと本気で思ってしまった(そして今もそう思ってる)。とにかく、決定的に惚れこんでしまったわけです。
これをよくよく考えてみると、その感覚はステラ・マッカートニーを好きだという感覚にとても近いと思った。本人のキャラクターから音楽が聞こえてくる感じが。そこが大して作品も見ていなく、音楽もろくすっぽに知らないうちからシャルロットにずっと惹かれてきた理由だろう、と思い当たりました。
もちろんセルジュもバーキンも大好きで、シャルロットのもの以上に彼らの音楽・映画には触れまくっているんだけど、父親・母親(とその伝説)を抜きにしたところで、シャルロットには特別の引力を感じるのです。そしてそれは、彼女の佇まいがイコール音楽が匂いたつ存在なのだからです。


やっぱり、根底に音楽が流れている人が好きなんだな、と再確認した次第。
あと血ね。血の絆というか、いや呪縛というべきか。そういうのを背負っているひと。

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でで。本題のライブですが、まず東京公演の箱がハイソすぎた。もちろん音質はいいし客層にもあっていたかもしれないけれど、『IRM』のサウンドにはスタンディングが似合っている。そこいくとこの東京国際フォーラムAホール、みんなお上品に座って聞いてるもんだから居心地の悪さは否めなかった。
ではどこの会場が良いかときかれると、それもドンピシャがすぐに思いつかない。んー。難しい。次回来日までの検討課題ということで。


ライブの内容自体は、とてもとても素晴らしいものでした。音の再現性がハンパない!と思っていたらBeckバンドの皆様でした。どおりでどおりで。楽器とっかえひっかえでひきまくり、シャルロットも太鼓にシーケンサーに演奏していて、男気あふれてましたねー。ステージの音の一体感はバッチリです。
あ、席が30列付近だったため、噂になってたギターの女子のスケスケスーのお洋服が拝めなくて話題にのれず残念だったなァ。

それから、父上の曲『特別ホテル』『クーラーカフェ』をやってくれたのはビックサプライズ。しかも後車ではコールアンドレスポンスまで!!!もうハッピーな瞬間。そしてそれがふっと止み、『ドウモ アリガトウ マタ アイマショウ』の声とともに去っていったのも、まるで軽やかな夢からの目覚めのようで、終わった後もボーっと夢心地でした。

格好は白のタンクトップに8部の革ジャケに黒い光沢あるスリムパンツで、シンプルなことこの上なし!なのに、超カッコよかった。そこにいるだけで絵になる。華がある。これがスターなんだな。

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来年には物議を醸し出しまくって日本未公開のはずだった、カンヌ主演女優賞受賞作『アンチクライスト』の奇跡の上映がひかえています。昨年夏のアイルランド旅行にて映画館におどろおどろしいポスターが貼られているのを見て、ずっとずっと見たいと思ってたのですごく楽しみ!なんでもシャルロット、相当身体を張ってるみたいで・・・。両親の作品、『ジュテーム・モワ・ノン・プリュ』を想像せずにはいられませんなー。



↑これが昨年現地にて見かけたポスター。すごいでしょ!?監督がトリアーだし、シャルロット主演だし、なんじゃこりゃ!?と思わずカメラをむけていた・・・。