『明日へのチケット』

ずっと見たかったこの映画、CINECAFE SOTOでついに見ることができました。
まず全編を通して。非常に人物描写が細かくて、実際にありえそうな話に思えてきました。さすがは巨匠×3です。
ざっくり書くと、最初の監督(すんませんこの方だけ他作品未見です)は視線とかシチュエーションとかが、2章のキアロスタミは人物の雰囲気の容赦ない描き方ととディテールの作りこみが、そして我らがケン・ローチはシナリオと弱者からの視点で描いた描写が、本当に上手い!
特に最後3章目の、セルティック・ファンのスコティッシュと難民が繰り広げるドラマ、そしてラストシーンへの流れは本当に胸をうちました。実はラストはどっち側について終わるのかなー、どっちも弱者だしなー、ケン・ローチだしシビアなラストかも・・・・・・とドキドキしながら見てたのですが。いい意味であっと鮮烈・鮮やかな終わり方、素晴らしいです。ぜひとも、ワールドカップ期間の今、見て欲しいと思った。

脚本とカメラ・アイと話の流れで誰がどの話を撮ったかが一発で分かりました。キアロスタミのなんでもない会話が行ったり来たりしながら話が見えてくるようなそうでないような、でも確実に物語が進んでいくあの感じとか、ケン・ローチのイギリス・ワーキングクラスと難民の描写の感じとか。しかし監督たちももうこのレベルまでくると絶対に外さないのが分かるので、安心して見られますね。


恒例のお料理は、3章に出ていたサンドイッチの再現!あの不評だった『ハム&マンゴー』もきっちり再現されていました。でもチキンの方がやっぱりわかりやすくおいしい味でした。