ライブテープ+前野健太ライブ!!!!@Cinecafe Soto

『ライブテープ』、見たよ!本当に74分1カット、素晴らしい時間でした。
吉祥寺が舞台ってところもすごくリアルで、マエケンさんの歌と風景がまざりあって、なんともな調和を生み出していた。ラストの父親の話〜井の頭公園の『天気予報』〜『東京の空』への流れ、もうぐっとぐっときた。まさにマジックとしか表現できない、ドキュメンタリーの神様が降りてきたかのような瞬間!あの全てが解けあって昇華して流れていく空気感を、あますところなく焼きつけたカメラ、凄い!
またこの会場、真空管アンプをつかっているおかげで、音がもの凄くよかった。かなりの臨場感があり、普通なら音が割れないところで音が割れたり、揺れたり。そのアナログ感と音の気持ちよさには、監督も絶賛してました。


上映後は監督とまえけんさんのトークショー。へー、ほー、と思わされることがたくさん。

  • 「ラストシーンはカメラマンには『これだけやれば絶対最後に何か良いのくるから、それ撮って』って指示しか出してなくて。でも池に夕日が沈むマジックアワーってことは計算していたので、『何もなければ池を撮ればいいから』って、わざとあおってみたりして。で、彼(カメラマン)は探した。そしたらちょうど子供とおばあちゃんが来て、それ撮った。それでもまだ彼は探していて、そしたらあの自転車のシーンが来た。彼は心の中で”自転車、行け、行け!”って祈ったらしいですよ。」「(まえのさん)演奏してる方は全然あんな感じだと思ってなくて、ただ屋根を使った天然のリバーブを聞かせようと後ろに下がったりしてて・・・映像を見てビックリしましたね。」
  • 「サングラスのシーンは完全にアドリブ。別に取ってくれなくてもよかった。そのリアクションが欲しかった。でも2つ持ってるって知らなくて。うれしかったなあ。前野さんが前野さんを演じていたじゃないですか。ドキュメンタリーって、本人が本人を演じだすとそこから面白くなるんですよ。」
  • 「ルートは大体決めていた。入る歌も。でも結局全然別のルートになった。3時撮影開始だったのに、そのとき八幡宮にちょうど警察が来たりして。それからハモニカ横丁マエケンさんが道を間違えたときから、どんどん離れていった。」
  • (もし当日雨だったら?の質問に)「絶対降らないって思ってた。自分の現場はぜったい晴れるから。(会場より笑い)・・・でもドキュメンタリーを撮るって、そういう引きの強さも必要で、もし雨で駄目になるようならその程度のものなんですよ。」「(マエケンさんは雨男だというはなしを聞いて)でも当日雨だったら、もう少しマエケンさんよりの、彼に寄りそう感じの映画になっていたと思います。例えばあの会話のシーンで、僕が傘を持ってたりしてたかもね」
  • 「録音はマイク7本使っていて、編集でわざとリバーブをかけてます。でもサントラの方はそのリバーブが切られててヤラレタ!と嫉妬しました。」
  • 「この映画を撮ったあと、自分の作品を家族に見せられるようになりました。」


最後にマエケンさんのライブ。
最初は「ライブテープはずしで」やって。
そのあと「リクエストききます。」といって客席からリクが飛ぶも全て無視www
「もっとズバーンってくるの、ない?」の呼びかけに、客席より「鴨川!」の声。
「そうそう、そういうやつ、ね。」で、ニヤッとして『鴨川』をはじめた。しびれた。
途中、マエケンさんが客席に座り、室内の照明を消して『ライブテープ』の音声なしを流しながら歌った曲が忘れられん。2人のマエケンさんが競演した、不思議な空間だった。”がっつり7〜8曲”というハナシだったけれど、10曲以上やってくれたー!しかも「すぐ近くの喫茶店で作った」という、新曲『コーヒーブルース』も!
最後は『熱海』〜『100年後〜十条バージョン』で〆。濃い4時間に幕となった。


東京での上映はこれが一応最後らしい。間に合って本当によかった。