旅愁

私は、自分の力で立っている人間が好きだ、ということに気づいた夜。
去年の今ごろはどこにいたのかとふと思う。
そうだ、ちょうど今日はベルリンだ。混沌と再生の都市、美しき退廃の都市。

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彼から旅日記が届く。タイトルは『THAI』。
その名のとおり、彼の地の人々や風景が収められていた。何気ない瞬間、美しい風景、そこで働く人々・・・など。いかにも彼らしい視線で撮られた、写真と動画の数々がそこにはあった。

もちろん、これは、夢の中での出来事だ。