形象

そう、それは遠い日々。懐かしさを覚えることもなく、既に忘却の彼方へと姿を消してしまった。
もはや現実としてそこにあったものなのか、それとも束の間に見た夢であったのか、その区別すら曖昧になった。

一つ刻まれた傷でさえ、何のために付けたのかも分からない。

今宵はただ冷たい風を体に受け、遷り行く世に思いを馳せる。