我々が立っていた場所

貴方は彼女以外の女性を必要としていた。初夏から貴方に纏わりついていた、不穏な空気から逃れるために。そしてそのとき、傍にいたのが私だった。


貴方は自然に私を求めた。私はそれに応えた。それは一種の取引だといえた。


また今、今度は私の周りに不穏な空気が、運命が、絡み付いて離れない。でも貴方は私を決して助けやしない。それはいつものこと。最初から、望んでなんていなかった。
誰も応えてはくれない。これを人は孤独と呼ぶ。
貴方はそれを"愛したい”といつでも願っていた。そして、それと一緒に生きようとした。その試みは成功したのかしら?―貴方が今、夢の中で安らかに眠っている姿を想像する。
美しい幸せ。